ヘッドホンで電波時計を合わせる

とりあえず写真。

電波時計にヘッドホンをかぶせてJJYタイムコードをシミュレートしたものを「聴かせている」。

電波時計が受信している信号は40kHzなり60kHzなりといった、電波としてはかなり低い周波数で、最近のサンプリングレートが96kHzや192kHzといったサウンドバイスでは余裕で生成できてしまう。

広く普及している44.1kHzのサウンドバイスではナイキスト定理による22.05kHz以上の信号は出ないはず…とはなるのだが、高調波が出ることを期待すれば、たとえば13.333kHzを出力してその3倍高調波の40kHzを電波時計に拾わせるという手がある。

電波時計側のアンテナはフェライトバーアンテナで磁界検出型のアンテナ。対して、ヘッドホンに使われているダイナミックスピーカーは電磁石で永久磁石を駆動するものだから、外部に磁界が漏れてくる。それを磁気結合でフェライトバーアンテナに伝えるということになる。

一応ヘッドホンからでてるのは音とともに電波、ということになるが、微弱なので特に他の電波時計に影響を与えることはない。

フェライトバーアンテナは通常、そこに並列に接続されたコンデンサとで共振回路となっていて、要はこの共振回路をビンビンにすればいいわけ。だからぴったりの周波数である必要はなくて、整数分の一の周波数でも何とかなったりする。

ソフトウェアを置いておく (Windows用、無保証)。

http://kikyou.info/misc/jjysim.zip

使い方は、とりあえずヘッドホンを電波時計に引っ掛けて、jjysim.exe を実行すれば電波時計をPCに合わせることができる。スピーカーの近くに電波時計をおいてもよい。

いくつかオプションがあって、

-fは再生するPCMの周波数をHz単位で指定する。サウンドバイスの再生可能周波数の上限を越えて指定しても意味が無いことに注意。デフォルトは44100。

-tは再生するトーンの周波数を指定する。デフォルトは13333で、13.333kHzになっている。これは三倍すると40kHzになる値で、40kHz用の電波時計を合わせるのに適している。12000や20000だと60kHzに適した周波数になるはず(試していない)。-t 2000 のようにすると聴きやすい周波数になるが電波時計は音を聴いているわけではないのでこれを電波時計にかけても意味がないだろう。

-dは時間オフセットで秒で指定する。ここで指定した時間だけ電波時計をずらすことができる。正の値を指定すると電波時計を未来に合わせることができる。

--sineをつけると正弦波。これがデフォルト。

--squareをつけると矩形波矩形波の方が奇数倍の高調波が出やすいのだが、再生周波数やエイリアスの関係であまり意味がなかったりする。

現在福島局(40kHz)が停波しているので、40kHzしか受信できない環境では若干役に立ってくれると期待している。